THノベルズ「みんなの木」

小高い丘の上に、小さな芽がぴょこんと顔を出しました。
種がどこから来たのか、誰も知りません。

でも、小さな芽は動物に食べられることもなく、病気になることもなく
すくすくと育ち、何年かすると立派な若木になりました。
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若木は秋になると、小さな実をつけます。
最初に若木に気がついたのは、小鳥たちでした。
小鳥は若木の実をついばみ、羽を休め、飛んで行きました。
若木は、小鳥たちが巣を作るほど大きくなかったからです。

何年かすると、若木は立派な木に育ちました。
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立派になった木には、小鳥たちが巣を作るようになりました。
秋には小さな実をたくさんつけたので、小鳥たちでは食べきれません。
落ちてくる実を狙って、キツネやリスも来るようになりました。

木の根もとでは、キツネが巣を作り子狐が生まれました。
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丘のふもとには村ができました。
村人たちは、仕事の合間に丘に登ってきます。
木陰で昼寝をしたり、将来の夢を語り合いました。
大きく育った木を、みんな大切にしていました。

丘の上の木は、みんなの木になりました。
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村の子供たちは、木に登ったり実をとったりして遊びます。
ある日、男の子たちが集まって秘密基地を作りました。
大人たちは、男の子たちに気づかれないように秘密基地を直しています。
落ちたら危ないからね。

村の人たちは、みんなの木が大好きでした。
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ふもとの村は、人が集まってきて町になりました。
新しく町に来た人たちは、丘の上に家を作りたいと思います。
村の人たちは、みんな反対しました。

みんなの木の周りでは、町の子も村の子も一緒に遊んでいます。
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子供たちはみんな大きな木と秘密基地が大好きでした。
町の子も、村の子も関係ありません。
みんなの木は、大きな木だったので子供たち全員が遊んでもびくともしません。

でも、ある日町の子が秘密基地から落ちて、けがをしてしまいました。
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町の人たちは、怒りました。
「秘密基地がいけないんだ！木を切ってしまえ！」
村の人たちも、怒りました。
「町の子供が悪いんだ！一緒に遊ぶな！」

子供たちは一緒に遊べなくなって、悲しくなりました。
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そのころには、町の人たちのほうがたくさんいました。
村の人たちは反対しましたが、みんなの木は切り倒されることになりました。


仲良く遊んだ秘密基地は壊されてしまいました。
村の子供は泣きました。
町の子供も泣きました。
村のお年寄りも、村の大人たちもみんな泣きました。
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木が切り倒される前の日に、村の人たちが集まってきました。
村の子供たちも集まってきました。
町の子供たちも集まってきました。

みんなでお弁当を食べ、お酒を飲んで楽しく過ごしました。
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みんなの木にお別れを言いました。
「ありがとう。」
「楽しかったよ。」

そして、けがをした子もやってきました。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
誰もその子を責めません。
けがをした子が悪くないことは、みんな分かっていたのです。
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みんなの木は、なくなりました。
秘密基地も、小鳥の巣も、みんななくなってしまいました。

丘の上には、切り株と広場だけが残りました。
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何年かして、立派な若者が丘の上の公園にやってきました。
「もう一度、ここに木を植えよう。」
昔けがをした子供が、大きな声で言いました。

「その必要はないよ。」
周りの若者たちが言いました。
一緒に遊んだ、村の子供たちです。

指さす方を見ると、みんなの木の切り株からは、若木が生えていました。
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何年か、何十年かすると、若者たちはおじいさんになります。
何年か、何十年かすると、みんなの木の周りで子供たちが遊ぶでしょう。

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こんにちは、THです。

ちょっと毛色を変えて、童話を考えてみました。
知っている人もいるかと思いますが、「ちいさいおうち」という童話に感動したもので。
だれか、絵をつけてくれませんかね（笑）。

シルバーウィークを忘れて、転送していなかったため掲載が遅れました。
内緒ですが、会社のPCで作成しているもので…

「ちいさいおうち」ですが、ご存じない方がいらっしゃいましたら、ぜひご一読ください。大人の鑑賞にも十分ないい絵本です。

さて、前回も多くのコメントありがとうございます。
猫師匠、勝手に借用済みませんでした。

跳ね馬や闘牛については、また考えてみますね。

そうそう、小生至って平凡なサラリーマンですので、ポルシェ何ぞとてもとても…
ほら、いうじゃないですか、「色男、金と力はなかりけり」…

最後に、「飲酒運転」の件、おっしゃるとおりですね。
個人的には「飲酒運転」を取り締まる法律は軽すぎると思っています。
が、それはそれとして置いておかなければ、いわゆる「ミステリ」は成り立たなくなってしまいますから難しいところです。

ということで、遅くなりましたが感想などお寄せいただければ幸いです。

コメント 11

THさん　ごめん。飲酒運転　へんなつっこみかたして・・・＞＜
ごめんなさい。

さて、今週もたのしかった。
童話って　たのしいんだけど　涙が出てしまうのは
なぜでしょう。

まだ　子どもの心のこってるのかなぁ？

村の人　町の人　そして　ことりさんたち　みーんな自然の心とどいてますねーー
by 032_oyasan＠まおたん (2009-09-24 21:37) 

THさん

かわいいお話ですね。
画はけえちゃんがつけてくれると信じています。
若しくはぱた？
by A.U. (2009-09-24 22:13) 

今回は童話…。

童話といえば道明寺(なんで

しかしながら、色々書けるんですねぇ(^_^)

秘密基地というほどのものじゃありませんが、しえすたも基地という名の空き地で遊んだ記憶が甦りました♪

昨日のことはよく思い出せないのに(笑)
by 061 CSの語り (2009-09-25 16:54) 

おっと、今回は童話なのね。
でも、ちょっと大人向け？(^_^)
by 015 猫目 (2009-09-25 17:53) 

Qも「ちいさなおうち」子供のとき読みました。
ディズニーのやつも。
好きでしたー、特に絵。
窓が目、ドアが口。
著者が描いてるんですよね。
うちの子も大好きです、この話。



by 023-QT (2009-09-26 00:39) 

こういうお話も大好きです。

いま、ここに来ている人達やその周りの人達は
何年か、何十年かしたら・・・どうなっているんでしょうね

ありがとうございました。
by 002Z (2009-09-27 19:24) 

コメント欄　自分ルール封印してましたが…

おおお！何じゃこりゃ！

こんなコメントが入ることもあるねんな…
いったい、私の文章の何がこんなコメントを呼び込んだのでしょうか…。そりゃ自動※とは知ってますがね。
いや、それだけです。

皆さん、コメントもありがとうございます。

くじけずがんばります。

でも、ちょっと仕事が忙しくなってきたので、
今週はお休みさせてください。

失礼しました。
by 051 TH (2009-09-28 00:00) 

THん。毎週お疲れ様で麩！！

今週の休載。残念で麩が、次回を楽しみにして魔麩！！

絵本なお話。いいで麩寝！
ひきだしいくつ持ってるんで麩化。。。。
裏山椎！！！

絵をつけるといえば！
あうたん。
Ｔシャツのデザインをした「妹」を忘れて魔麩よ！！

才能ある人多いから、みんなで本当に絵本作れそうで麩寝！！
それも楽しみ♪

でも、ぱらまたんが絵をつけると絵本というより絵巻物になりそうな旗が。。。
by ０１４けんづる (2009-09-28 16:10) 

THさん
毎回、色々多彩ですね。

子供のとき、お話聞いて絵を描きましょう。ってやらされたけど
みんなで好きな場面の絵を描いて集めたら、絵本できそうですね。

お休み後の次回作も楽しみに待ってます。

づるたん
特定の人のこと、つい言いたくなる気持ちはわかるけど
グッズデザイナーは3人いたことをお忘れなく。
by 022 koge (2009-09-29 15:29) 

はうっっっ！！
こげパンゴムで麩。。。

えぇえぇ。感謝の気持ちは忘れてないんで麩世。忘れてませんとも！！
じんたんも、こげパンも餡兄さまも、素敵なグッズ作ってくれた門ね！！

大変申し訳。
やっぱりみんなで作るのがいいで麩寝！！
ってフォローになってない（爆）
by ０１４けんづる (2009-09-29 16:37) 

「ちいさいおうち」、幼少の頃母親が買い与えてくれました。
他のいろんな本が、いつの間にかなくなってしまっている中で
自分が結婚する前の、最後の引越のときまで
本棚の隅にひっそりと立てかけられていました。

その後、結婚して、子供ができて、
子供と一緒に行った絵本売り場で再会したときは、
じんわりとした暖かさを感じました。

決して派手ではないけれど、なぜか忘れられない
この絵本のように。

by ０６９　しょうた (2009-09-29 21:07)