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《白旗新聞》検察とマスコミの危険な関係 056 kk [校内新聞]

検察とマスコミの危険な関係は、最近の次の二つの事件でも見受けられる。
1、草なぎ事件での家宅捜索
  尿検査で薬物反応なしにも拘わらず家宅捜索。マスコミはあまり騒がず。
2、小沢元代表秘書逮捕
  政治資金規正法違反容疑で逮捕・起訴。マスコミは検察からのリーク情報のみで
秘書自白や有罪観測を報      
  道。

1の事件では薬物反応なしでの家宅捜索をほとんどマスコミが問題視しない姿勢。
2の事件では検察の政治資金規正法の拡大解釈と検察からの意図的なリーク情報の裏
づけ取材をほとんどしていないとおぼしき姿勢。


結論から書こう。戦前の、物的証拠なしに逮捕し拷問によって得た自白のみによって
有罪判決を得る「特高」と、日本を戦争へと突き進めさせ大本営発表をそのまま載せ
た「御用新聞」の復活ではないか。

草なぎ事件ではこの家宅捜索について、マスコミはほとんど疑問を抱いていない。い
いのかそれで。プライバシーの侵害ではないのか。捜査権の濫用ではないのか。「現
に逮捕拘留中の人間の自宅の家宅捜索」。それも外で飲んだ果ての全裸事件。「自宅
で飲んだ果ての全裸事件」ならわかる。自宅で飲んだのなら、どのくらい飲んだとか
が転がってるビン・缶の量で推測できるから。ましてや薬物反応なし。麻薬取締法違
反容疑もないのにだ。男性未婚者なら自宅に××や○○が置いてある可能性はほぼ1
00%だろう。それを見つけて公然わいせつ罪ならぬ非公然わいせつ罪でも立法させ
ようとでもしたのか。

小沢氏秘書逮捕については政治資金規正法違反容疑での逮捕・起訴であるが、こちら
は検察の同法の拡大解釈という問題と検察からの意図的な情報操作の問題、そしてそ
れを無批判に報道するマスコミという問題がある。

まず検察による法律の拡大解釈の問題。
もちろん同法の精神が企業献金の規制(現在最大年3千万円)、企業による政治家へ
の賄賂禁止というものにあることは承知している。ただしそこに、政治資金収支報告
書への「実質の献金主体名を記載」という条文はない。
第21条以降に、寄付者による本人名義以外の名義もしくは匿名での寄付は禁止、そ
れに違反する寄付を受入れることも禁止、という条文はあるものの「実質の献金主体
が同一であることを認識していながら制限を越える寄付を受入れてはならない」とい
う条文はない。「実体がないダミー団体でありなおかつそれを知っていた場合」には
同法違反であるようだが、実体は、外形的にはあったようであり、同法違反とするに
は無理がある。
そもそも、立法を司る政治家が作った法律である。行政を司る官僚ですらその利益を
損なう法案は巧妙な手段で骨抜きにする。ましてや政治家が自分の首を絞める法律に
賛成すると考えるのが、そもそも甘い。そうやって骨抜きにした上で可決された法律
である。検察とすれば法律を拡大解釈しなければ逮捕できないという事情はわかる
し、その意気は買うが、それは違法である。立法の精神からすれば拡大解釈が正義だ
が、悪法といえども法である。その拡大解釈は違法である。

次に検察の意図的な情報操作の問題。
実質の献金主体名を記載しないと同法違反であり、秘書が実質の献金主体が西松であ
ると知っていたと自白したという情報を意図的にマスコミに流した点。一般市民に有
罪を印象付けたいための情報操作は与党側へのPRを狙ったものという見方もでき、
それが「国策捜査」との見方も浮上する一因である。一般市民を「愚民」としか考え
ていない証左である。

その上にその検察からの情報を裏付けなしに無批判に報道するマスコミという問題。
そもそも「政治資金規正法」をよく確認したのか。おそらくしていまい。西松側にも
取材したのか。これもしていまい。したとしてもダミー団体であると判断できるだけ
の裏付けは取れていまい。そもそもダミー団体であるかどうかの判断が簡単にできる
ものではなかろう。西松側も巧妙に偽装しているだろうし、OBをその責任者として
いたなら実体があったと判断するのが妥当な判断であろう。通常西松側のマスコミへ
の対応としては「捜査中なのでコメントできない」というところだろうから、相当食
い下がらないとダミー団体かどうかの判断は付かないはずである。
「捜査当局によれば」「検察当局によれば」等情報源を書けばあとは読者が判断する
こと(それが免罪符と思っている)、または情報源である公権力がいっていることは
全て正しいと考えているのだとすれば、これはもう完全に「御用新聞」となっている
ということである。「大本営発表赫々たる戦果」を嬉々としてか報復を恐れてかは知
らないがそのまま報道した戦前戦中の「御用新聞」となんら変わりがない。「記者ク
ラブ」から外されるのがそんなに恐いのか。そんなマスコミは百害有って一利なしで
ある。

父母・祖父母に聞いてみるがいい。「滅多なことはいえない」社会がたかだか60数
年前までこの日本にもあったのだ。その暗さを二度と再現してはいけない。

検察が自由に法律解釈を捻じ曲げてよいわけはない。また、マスコミが権力のお先棒
を担ぐならそんなマスコミはいらない。 在校生たちも情報を無批判に受入れるなら
それは愚民であることを認めることになることを肝に銘じてほしい。
 (以上 文責 056 kk)


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ke_co_ltd

★けえでーす

毎日毎日たくさんの情報が流れてくる
どれを取り込んでどれを聞き流すかは自分次第だけど
ニュースの裏側で起きたこと、起きていること、起きるであろう事
そういった読み方、思考方法というのは一体どうやってみにつくものなんでしょか。

どうもあたしは偏りがちでそのときに手がけている業界に
偏りがちというかそればっかりになりがちです

いまの子たちは、これだけ情報過多の中で
自然にそういう技をみにつけているのかな
それとも大量に受け流す術に長けていくのだろうか

正しさや、真実がひとつではないことに気づいてしまうと
もう何もかけなくなる
だから強い光を自分の中から相手に向って当てて
そこに出来た影を読む

ほんとうにしっかり意識しないと
流されてしまう
流してしまう
そのことに気づいたょ
by ke_co_ltd (2009-05-28 00:08) 

ayakocat

今の日本に真のジャーナリズムは存在してるのでしょうか。
以前、フランスのジャーナリストの方が、日本の「記者クラブ」の存在を不思議がっていました。
新聞記者といえど、フランスではひとりひとりが個々にジャーナリストだっておっしゃってたと思います。
自分のものの見方で何事かを伝える、という姿勢。少なくとも大手のマスコミにはありませんよね。

ネット社会になって、大本営発表でない情報が発生することは(弊害もわかっていますが)いいことだと思っています。
by ayakocat (2009-05-28 11:08) 

kk

けえ様
1990年「想い出にかわるまで」に松下由樹が出演した際、プロデューサー?から「(姉から恋人を奪い取る妹という役のため)結婚できなくなるかも知れないけれどいいか?」と聞かれたとか。昔「テレビ=真実、配役=実像」というテレビにとって幸せな時代がありました。今は違います。「○○警察によれば」「検察当局によれば」という報道は、報道側は裏づけ取材はしていません、裏づけがあるかどうかは○○警察・検察当局に聞いてください、といっているのと同義と考えてほぼ間違いない、ということが知れ渡っていますから。

ayakocat様
そうですね。記者クラブ。校長の「デキルヤツノ条件7:「紳士淑女」たちのルール」のような感じなのでしょう。そこからは自分のものの見方で何事かを伝える、という姿勢はでてこないでしょうね。

追記:NBO「メディア不振は不信だろ」にメディアの人材育成の現状が書かれています。最後の方が若干私の記事とかぶるようですが、過去の日本の事例を考えると当然そこに行き着くということでしょう。

本記事の主な参考記事:同「辞任に至った経緯を重く受け止めよ」同「代表秘書逮捕、検察強制捜査への疑問」同「「ガダルカナル」化する特捜捜査」

by kk (2009-05-28 17:20) 

BP

全く持って同感です。

メディアに接するときは、バイアスがかかっていることを思わないと鯉も流されてしまいます。

個々人の判断が必要となると、判断を破棄してしまった人はただ流されていくことになるのでは。

先ずは自らを正していきたいと思います。
というわけで、選挙で意思を表示したいと思います。
by BP (2009-05-28 22:57) 

045 ch-k


> 男性未婚者なら自宅に××や○○が置いてある可能性はほぼ100%だろう。

××や○○のことがヒジョーに気になるんですが…。変なところに食いついてしまってすみません。

はっ!…けえちゃんに見つからないうちに帰りますね。


by 045 ch-k (2009-05-29 18:44) 

032_oyasan

kkさん。
丁寧な論考ありがとう

ほんと そうだよね。
マスコミを志願したこともあるから、それだけに
今の現状が歯がゆいです。
ただ、垂れ流す・・・
主義主張じゃなく、結局 お上の発想に従う・・・
つまり 考えないマスコミが増えてる気がします。

こういうときは 草の根ジャーナリズムが大事だよね。そう思ってます
by 032_oyasan (2009-05-30 16:14) 

014けんづる

kkたん。

ジャーナリズムは、公正であるという大義名分の下、
自分たちが都合のいいように情報操作してる感は否めませんね。

実際、ジャーナリズムは必ずしも公正ではないですし、
それで良いとも思っていますが、
そんな情報に踊らされることのないように気をつけたいですね。
by 014けんづる (2009-05-31 16:19) 

056 kk

BP様
そうですね。寝ていて欲しいとかほざく政治家もいるようですから、投票して意思表示することが政治家に対する牽制効果はありますね。たとえ1票は小さくても集まって力になりますから。

ch-k様
××や○○は色々な本やDVDのことです(色々=エロエロと読みます)。

oyasan様
「考えないマスコミが増えてる」のではなく、マスコミの上層部・中間層が戦前・戦中の権力のお先棒を担いだ反省を忘れてしまったために、無自覚な記者が上げてきた記事をそのまま通してしまうようになったためにそう見えるだけのような気がします。
戦前・戦中のシステムは現在まで温存されているものがあります。代表的なものが、簡単に「御用新聞」化してしまうマスコミと、自白至上主義の「司法」です。裁判員制度でも自白至上主義からは脱却できないと思いますし、場合によってはより強化される危険性さえある。検察が自白から有罪の印象をマスコミを通して流せば、裁判員がそれに縛られる可能性は非常に高い。痴漢裁判で自白がなく、「物的証拠」として被告の手の付着物を確保せず、被害者の証言だけで裁判を進めて、やっと無罪判決を得たケースもあったくらいです。取調べを完全に録画したものでなければ自白として認めないとか、自白は証拠能力なしとでもしないと、冤罪はなくならないでしょう。もちろん「足利事件」のようにDNA鑑定が間違っていた、なんてのもあるので注意は必要ですが。

けんづる様
マスコミが自分たちに都合のいいように情報操作しているのではなく、裏付け取材を地道に行わないために情報源に情報操作されていると思っています。小沢氏秘書逮捕や朝日新聞襲撃事件に関するニセ犯人の手記週刊誌掲載。どちらも裏づけ取材などほとんどやっていないでしょう。検察やニセ犯人に情報操作されるマスコミという構図です。もっとも、記者がこのニセ犯人に嘘の手記を書かせたという疑いもあるので、それに元編集長が騙されてしまった可能性もありますが。まあ「裏づけ取材によって否定できるだけの情報は見つからなかったので載せた」なんてのは「売れれば勝ち」の論理以外の何ものでもないですが。「売上・利益至上主義」のマスコミをまるまる信用してはデキルヤツにはなれませんよ。
by 056 kk (2009-06-01 18:42) 

014けんづる

kkたん。
なるほどぉ。地道な裏づけがない。
どんな仕事にも共通してますね。土台がしっかりして無いとその上をどんなに飾り立てても結局うまくいかないですもんね。

これからますますそんな流れが強くなるかもしれない。
恐怖ですね。。。

マスコミの情報をまるまる信用してたわけではありませんが、これからさらに注意深くなろうと思います。
お前にできるのか?っと突っ込みの声多数。。。。
by 014けんづる (2009-06-02 18:04) 

033 オーヤ

とても興味深く読ませていただきました。
なるほど「大本営発表」ですか。
マスコミがあてにならないとは思っていましたが、
情報源さえ明らかにすれば、それでよし、とする仕事ぶりへの批判は
かなり、本質を突いていると感じました。
マスコミは、なんのために存在しているのですか?という問いですね。
願わくば、庶民の見識というか、歴史をも踏まえた世間知が、
マスコミの不甲斐なさを見抜けるまでレベルアップしますように…

by 033 オーヤ (2009-06-02 21:46) 

kk

けんづる様
特に権力側からのリーク情報には注意が必要です。それでなくても不勉強な記者が増えて(ん?もともとか?)ますので、速報で流されるリーク記事には裏づけ取材は皆無だと思ってください。

オーヤ様
マスコミは、1%以下の特異情報を売っています。普通に生きて死んだ人の記事が載るのは訃報欄だけです。よく言われるのが、犬が人を噛んでも記事にならないが人が犬を噛んだら記事になる、というものです。マスコミが「社会の木鐸」とかいっていた時代もあったようですが、今は裏づけのない記事を拡声器で広めてるようなものです。オーヤさんの書き方だと庶民の側のレベルアップのみが必要、と取れてしまいますので、「マスコミ側も丹念に取材して金払う価値のある記事を書けよ」(まあ、今までだめだめだったんだからマスコミ側のレベルアップは無理だろうという諦めがあるのは承知しています。)、という意見も追加します。
by kk (2009-06-04 09:14) 

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