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ある経理マネージャーのひとりごと【接待ばか】 [校内新聞]

私は経験約20年の経理マンです。新卒で就職して以来、最初の2年間の営業経験を除けば、ほとんどの期間を経理・財務畑を歩んできました。それなりの資格なんかも持ってます(誰でも持ってる資格だから決して威張れるようなものではありませんけれども)。実務経験もマネジメント経験もそれなりに積んできた、と、ちょっぴり自惚れてたりもします。

転職経験も現在まで4社。現在の勤務先には半年ばかり前に縁あって転職してきました。入社後しばらくして採用担当次長から、

「あなたの採用の決め手は、あなたのキャラクターと対人スキルです。」

などと言われ、経理・財務の経験とかスキルとかはどーでもいーんかい!と(心の中で)ツッコんだりしたのはヒ・ミ・ツですよ。

採用した側は私に何を期待しているのか、というと経理の実務そのものというよりも経理部内のマネジメント及び社内コミュニケーションの活性化にあり、特に内部統制面でのリーダーシップ発揮を望みます。って中途入社したてのよそ者新入りには少々荷が重過ぎやしませんか?――なんてことは軽~くスルーで大役仰せつかったのでありました。

入社して、よそ者の目でというか第三者的視線でというか客観的に社内を見回してみると、当社の常識=世間の非常識ってな感じのことが結構ありまして、これは「方言」というような生易しいものではなく外国語ではないのか?というような、日々新鮮な驚きとともに自分を疑うところから始まる仕事があって、新しいゲームに取り組んでいるような毎日です。

そんな日常のなかから、これは!…と思うような出来事を綴っていこうと思います。それでは記念すべき第1話をお送りします。お楽しみください。

 * * *

ウチの会社には年間に一人で700万円近くもの交際費を使う男がいる。

取締役専務執行役員営業本部長

これがその男の肩書きだ。従業員数約400名、売上高約140億円の、当社ナンバー2にして営業部門トップの男である。

この男の交際費の使い道といえば、当然といえば当然ながら、飲食接待やゴルフ接待など、取引先の接待なのだが、年間50週、毎週休まず接待に明け暮れているとして、毎週14万円近くも使っていることになる。

私は経理マネージャー職なので、交際費の精算伝票をはじめ各種の伝票に目を通しているのだが、この男の接待伝票は本当に毎週回ってくる。この男は毎週接待で呑み歩いているのだ。

すごい。体力あるね、この人。健康管理は大丈夫なの?

なんていって感心している場合ではない。会社のナンバー2、営業本部長ともいうポストにある人物が毎週毎週接待で呑み歩いてるってどういうこと?と私は疑問に思ってしまう。

しかもだ、接待されるんじゃなくて接待している側なのである。おいおい、ずいぶんと安っぽいナンバー2だな。ひょっとして相手から軽く見られてる、っていうか、なめられてるんじゃねーの?なんて思ったりもする。

普通、接待ってのは、課長クラスが中心になって出かけていくもので、相手の課長や部長といったところを何度か接待しておいて、役員クラスは「ここぞ」というときに出てくるもんじゃないのか?たとえば、先方の役員を接待するときなど、相手との釣合いを考えて。

ウチの会社の業界におけるポジションはといえば、ニッチといえどもマーケットのパイオニアにしてナンバー1を誇れる企業である。ぶっちゃけ競争らしい競争などないといってもよいくらいだ。マーケットでは、なんといってもぶっちぎりのトップ企業なのだから。

つまり、ウチは接待なんぞに頼らなくても、商品力とサービス力で勝負できる会社だってこと。

取引先とは過去20年も30年も安定した取引が続いており、今後もそれは続くというか、安定して続けていく見込みである。なにしろ、マーケットにはライバルらしいライバルがいないのだから。

にもかかわらず、しなくてもいい接待を繰り返しているのはなぜか?

ウチの専務が接待と称して呑みに連れていく相手は、大抵が長年付き合いのある取引先の役員や本部長といった幹部クラスの人たちだ。

専務との付き合いは、専務がヒラだった頃からのものだろう。専務がヒラ→主任→係長→課長→次長→部長と出世するのに合わせるように、相手もヒラ→主任→係長→課長→次長→部長と出世してきたのだろう。つまりは、長年付き合ってきたダチというわけだ。

接待したからといって、今後の取引がどーにかなるようなわけでもないのに接待を続けてるってことは、営業上の駆け引きとかそんなんじゃなくて単に「自分がダチと呑みに行きたいだけ」なんじゃないのか?なんてことを思ってみたりもする。

ふつーに考えて、双方ともに部長とか役員とかの幹部クラスが出席するような接待の場合は、少なくとも2~3週間前から、ひょっとして1ヶ月以上も前からスケジュール調整などして店の予約とか事前に準備を整えているものではないのか?少なくとも私が以前にいた会社ではそうだった。

「今夜呑みに行きましょう。」とか、そんな接待ってありなの?接待申請の仮払伝票が、その当日午後に起票されてるなんて、ついさっき電話で呑みにいく相談がまとまったから、としか思えないではないか。

てことは、会社対会社の取引のもろもろにおける接待ではなくて、専務の個人的な友達付き合いのために会社同士の付き合いである接待の名を借りているだけのことじゃないのか?個人の楽しみのために呑み歩いている、と。

会社のカネで。

たまたま専務の呑み友達が取引先の幹部だった、という話。昨夜の接待の理由が、「(先方の)新人事体制のヒアリング」だったりして、なにそれ?
次回の呑み会に、誰を誘ったらいいかを聞き出しにいくってことか?なんてことを思ってみたりする。

交際費予算って、そんな行き当たりばったりの私的利用していいのか?社内で専務の接待交際費の使い道に関してモノを言う者は誰ひとりいない。しかも、使った接待交際費の精算事務が遅い。店で支払った飲食代の領収書を提出してくれれば、その金額と前払いで渡した現金との差額を精算するだけなのだが、それがちゃんとできない。自分でできないなら秘書でも付けて事務を任せりゃよかろうものを、それをしない(女癖が悪くて秘書を付けらてもらえないとも聞く…)。

しかたがないので経理マネージャーの私が精算の催促に行くと、
「がはははは…。わるいな。ちゃんとやっとくから、もうしばらく待ってくれ。」などと言うついでに
「ところでなあ。うえっへっへっへっ…。こないだ行った店のネエちゃんがいいオンナでなあ…。」
なんてことを上機嫌で言ってきたりもする。困った人だが、憎めないところもあったりする。

専務の接待交通費の使い方には社内の誰一人として口を出すものはいない。ただ、私ひとりだけが、

「交際費予算やめて、もう専務の給料ってことにしましょうよ。」

などと言うことがある程度だ。これも、なぜか私だから言っても許されている感もあったりするのだが…。

公私混同も甚だしい、というかなんというか、困ったものだと思うこともあるが、偉い人ってのはそういうものなのかもしれない、と思うこともある。会社のカネを好きに使いたかったら偉くなれ、ということなのか。

交際費の使用が派手というのはこの際おいておくとして、この専務の一番の問題は経費精算のだらしなさだ。仮払いで現金を持ち出したまま領収書を提出しての精算が3ヶ月も4ヶ月も5ヶ月も貯め込んでるのは、いくらなんでもひど過ぎる。最初に手を付けるのはコレだな、と決めた。

さて、どうやって取り組むのがよいのか?――以下、次号に続く。


No.045 ch-k


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026 Old Y

羨ましい~限りの役員さんですね!
いまだにこういう方いらっしゃるんですね、は置いといてなかなか興味深いお話です。

というのも私も短期間(1年半)ではありますが経理に席があったんです。
当時は大阪に本社があり私は生産拠点にある経理課のリーダーとして、あっ別に経理の仕事ができたわけじゃないです、前任者がアルコールに関わる病気で急遽入院して管理系から年食ったのまあ置いとけっていうノリです。本人が言ってるので間違いないです(笑)。

まあ、私のことはどうでもいいのですが、どうでもいい話烏賊略で、当社は設立当時から本当に交際費使わない企業です。ええ、冠婚葬祭費は当然ありますが飲み食い代としての支出は年間3百万いかないと思います。これ、役員だけじゃなく全社員を含めてですが・・・。
国税さんも毎年、交際費が少なすぎるって必死になって調査するんですけど、使って無いものはないと言ってもなかなか信じてもらえませんでした。無いことを証明するのは難しいんです。

まあ、創業者の意向が守られているというのか、ケチというのかはわかりませんが。。。
以前は資材取引先や外注さんとの会社公認のゴルフコンペも年1回程度は開催していましたが、社員は役員筆頭に自腹でプレーしてました。取引先は交際費で落としてましたね、皆さん領収書しっかり貰ってましたので。

平日にプレーする場合は有休取得して自腹です。まあ、役員さんはそれなりに収入がありますからそれもいいでしょう。しかし、
単なる管理職は仕事で致し方なく参加しているのに自腹はないでしょう、自腹は!!

まあ、当然接待される機会もあるのですが大概はまずお断りするのが通例です。断りきれない場合のみお付き合いするのですが折半でお願いするか2次会分を当方がお払いするというパターンが多かったようです。役員と同行している分には出金伝票は出しやすいのですが、そうではない場合はまず嫌味のひとつ、ふたつ、みっつぐらいは覚悟して・・・なんでやねんですわ!

おっと、愚痴が出ちゃいました。感想はどうした?そうでした。
次号期待してます!!!!!。
え~これだけ??
じゃあ、途中のコメはなんだとの突っ込みはお受け致しかねまする。るるる。るるるるる。 (^^;;;


悩む。大年寄りだし、私。(C)こぼ
by 026 Old Y (2009-05-15 00:02) 

けんづる

うわぁ!!ちさとんしゃん。こういうのある!!

けんづるもおかしいと思うことがあって。
現場で必要!と思って稟議あげても却下されるのがほとんどなのに、えらい人は、使いたい放題!!

現場では、翌朝精算厳守なのに、えらい人は、何カ月も放ったらかし!!

現場では、領収証の記載事項事細かに指示来てるのに、えらい人のはノーチェック!!

よく分からない。えらい人って。

そして、そんなえらい人のために働いてる、一人ひとりの社員の方がずぅぅぅぅっと責任感あって。ずぅぅぅぅっと会社のこと考えてる。

自分とこだけだよ。こんなひどい会社。と思ってましたが、他にもあったんですね。ははは。

と笑い飛ばせないです!!

ちさとんしゃんの取り組みが、今後のけんづるの生きる指標になりそうな予感が。。。

枠枠してます!!
by けんづる (2009-05-15 00:52) 

061 CSの語り

ちさとんしゃん

どうも~。

この間のお母さんに引き続き白犬な文章。
やはり、只者ではないとふんでいたのだが、
やっぱり私の眼に狂いはなかったで麩。

わたしは目も開けられない状態ですが?
目が開けられないと真っ暗でなにも見えないわ。

で、私は痴呆公務員ですから、こういう会社の状況
よくわかりまへん。売上一番なんだからいいじゃん的な
暗黙知が存在するんでしょうかね?

しかし、すごい度胸です、ちさとんしゃん。
上司にこういうことにしましょうよ的な発言。

いやあ、しかもマーケットでNO.1の会社だなんて。
えへへへ、これからもちさと様よろしくで麩。

というぬけがけゴマスリーはおいといて、
次号すげえ楽しみです。
ちさとんしゃんいつもありがとうございます。

by 061 CSの語り (2009-05-15 01:59) 

045 ch-k


けえさま、けえさいありがとうございます。

もっと順番が後だと思ってたので、こんなに早く出ちゃうとはちょびっと驚きです。えへへへへ。

いちおーおことわりしておきますが、これは、私の体験(リアルタイムに進行中であるか過去のことであるかはもごもご…)をもとに、自分なりに消化してネタとして語れるように再構築したフィクションといえばフィクション、ファンタジーといえばファンタジーといえるかもしれない何ものか…であるので、そこらへんのところはあらかじめご承知おきください。とか言ってみたところで、皆さん既に行間読みまくりと思いますが、特定の個人を誹謗中傷しようとか、そーいう意図をもって書かれたものでないのは「お約束」ってことで、どーぞよろしくお願いいたします。

「つづきまだー?」と言ってもらえるように肩の力を抜いて頑張ります。たぶん。きっと。そうなるといいなあ、くらいの気持ちでニヤニヤしながら。

早々とコメントくださった皆さん、どうもありがとう愛してマース。
コメントレスに代えて、かつて私が仕えた上司(25歳くらい年上、私が課長代理のときの部長さん)の言葉をひとつ。酒の席で差し向かいになったときにスーダン国境近くのエチオピアの町でキッと私の目を見据えて言いました。

「会社はね、フィクションなんだよ。わかるか?ch-kくん!」


by 045 ch-k (2009-05-15 09:06) 

032_oyasan

ルール無視は専務だけじゃなく、(勤務中さぼっている)おいらもだと思いつつ、書いていきます。

ただ、さすがに、支出だけは がんじがらめで、もう少し十何度高めてもいいんじゃないかという状況にあるので、ch-kさんの民間事情たのしく (いえ、本当にお困りなんでしょうが・・・) 読みました。
早く 次なる改善の展開がよみたいです!!!


同族会社というか、小さい会社ならまだしも、目的地外の支出に年間700万円。それを許容するだけのゆとりが会社にあるということでしょうか。
これまでの功績への報い? それとも ドラマ仕立てなら、何か裏を握っている・・・(NBOの別の小説になりそうだ。)



「あなたの採用の決め手は、あなたのキャラクターと対人スキルです。」
ch-kさん、すごい人ですねっ


仕事において必要なのはテクニカルな能力ではなく、やっぱり人そのもの^^

by 032_oyasan (2009-05-15 13:24) 

わいすけ

つづきまだ~?

とりあえず、言ってみました。
ほんとに、この先が楽しみです。
ボスはテスタロッサ並に、期待してます、ほんと。
私は小さな子会社で経理の仕事を半分していますが、
現地社長がやっぱりじゃんじゃか使うんですね。
米人にも、接待漬けが体質になっている人がいると思うと
なんだか親しみが湧いてきたり・・・

でも、うちの場合、接待で本当にビジネス取ってくるので、
止めろ、とは言えないんですよ・・・

ささ、ずずずいぃ~と、つづきまだー?
by わいすけ (2009-05-16 06:58) 

013 ★エム

これまで何人かの上司の経費精算をしてきましたが、人によって交際費の感覚ってまったく違いますよねぇ。
ちなみに、直近にお勤めしてた会社では、社長は毎月150万円くらいの交際費を使ってました。
どうやったらひと晩で50万以上のお金を飛ばせるのか、ファッションセンターしまむらで熱狂し、ドンキホーテで88円の缶チューハイをまとめ買いする小市民の私にはさっぱりわかりませんでした。知ってる人は知ってるのですね、お金をいっぱい使う遊び。
その接待費用の元はとれてるのかって?……これから取るんじゃないでしょうか………。

米系会社の日本支社を転々としてきましたが、交際費の金額と内容は、リストラ理由として使われていました。
交際費として本人には支払っておいて、後から「コンプライアンス違反です」とやるのはなんだか小汚い気もしますけれどね。
ちさとんさんが、どうやってその専務にルールを守っていただくようにするのか、とっても楽しみです!!!

ところで、ちさとんさんが「キャラクターと対人スキル」を買われて採用されたって、なんだかわかります。
文章からにじみ出る人柄がとってもステキですもん♪


by 013 ★エム (2009-05-16 22:23) 

045 ch-k


「会社はフィクション」

この言葉を聞いたのは、私が30歳代になったばかりの頃のことです。この部長さんとの出会いは、今考えるととんでもないものでした。怠け者の私が、休日出勤してPCいじってたら(自動で集計とかしてくれる簡単なプログラムみたいなものを作ってて、これが上手くできれば毎月の残業を半減させることができるようなもの)、かの部長さん(この頃は経理の部長ではなく、国際営業部だか国際業務部だかの部長さんをしていた――つまり、組織上というか指揮命令系統では無関係の人)が、B4の集計用紙だかなんだかを2~3枚手に持って歩いてきて、

「きみ、ワープロ打てる?」と声をかけてきたのです。
「○○君も、××君も、留守なのか電話に出ないんだよね。」と

手に持ってる原稿をワープロ打ちして欲しいと思ったのだけど、部下に連絡がとれなくて頼めないとのこと。呼び出される方も大変だろうなあ、なんてことを思いつつも、ちょうど、休日出勤の目的たる作業が終わったところだったので(時刻は午後2時半くらい)、ワープロ入力の1枚や2枚、引受けるのは何でもないことだと思い、引受けることにしました。

「20~30分もあれば出来ると思います。それでよろしいですか?」
「助かる! じゃ、頼んだよ。」

原稿を預かり、私はワープロ(OASYSって覚えてる?)入力作業に取り掛かりました。午後3時頃には作業を終えて帰れるな、と思って――しかし、それは砂糖よりも甘い私の判断ミスでした。

受取った現行のワープロ入力がそろそろ終りを迎えようという頃、私の前に現れた彼の手には新たな原稿が……。

「これも追加で頼む。」さっきと同じくらいの分量です。

「わかりました。先ほどお引受けした分が、ちょうど終わるところです。印刷してお持ちになりますか?」
「おう、助かる。ありがとう。」

また30分ほどが経過し、2度目に引受けた原稿のワープロ打ちがそろそろ終わろうとしている頃、再び私の前に現れた彼の手には再び新たな原稿が……。

これを何度も何度も繰返し、気付いたら午後7時をまわっていました。

「腹減ったろ。今、出前取ったから食べてくれ。」

彼の手にはまたまた新たな原稿が……。ええ、わかりました。私も腹をくくりました。とことん付き合います。ははははは。もう、どうにでもなれ……。

結局、全ての打ち込みを終了し、印刷して手直し完了したときには夜の10時をまわっていました。休日に何やってんだ?オレ。

すごい部長だとは聞いていたけど、こんな人だとは思ってませんでした。よその部の人間を、他の用事で休日出勤してる人間を、ガンガン使い倒す人だとは。

この人の部下にだけはなりたくない。

心底そう思いました。そう思っていたのに、翌春の人事異動で組織改定があり、企画部と経理部が合体した企画経理部の部長になったのが「彼」だったのです。で、その歓迎会の席で近くに呼ばれたときに言われた言葉が「会社はフィクション」だったのです。

「意味わかるか?」
「会社は法人です。法人というのは、法律上の取扱いで人格を認めたというか、そもそも架空というか、理念上のもので……」
「ちがうな。そんなもんじゃないんだよ。」
「え?では、会社の存在そのものが架空というのではないと?」
「まあ、自分で考えろ。」ニヤニヤ……。

あれから15年以上の時間が経過し、「会社はフィクション」の意味をずっと考え続けています。その時その時、いろいろと言葉の意味について、「こうじゃないかな?」と、ふさわしい答えらしきものを見出したような気分になったりしましたが、後から考えるとちょっと違っているのかな?なんて思えてきたり。正解はまだ見つけていません。最初の頃は「与えられた役割をしっかり演じること」だと思っていました。最近は「フィクション=作り話」だと考えるようになりました。作り話っていうけど、誰がそれを書いているんだ?って。今はここらへんまで来れたかな?

自分が書き手になりゃいいじゃん、って。

自分に力がなくて書けないようなら、自分が書ける人間になるか、書ける人に書かせりゃいいじゃん、って。

会社創立から現在に至るまで、いろんな人たちの手で書きつないできた「会社=フィクション」を未来に書きつないでいくんだよ、って。だから、「会社=フィクション」は書き手であるキミ次第でどうにでもできるものなんだよ、って。あの部長さんは私にそう伝えたかったのかなあ。確かめてみたいんだけど、今となってはそれもかなわない。亡くなったから。8年前に。どうしてもっと早く気付かなかったんだろう、ボンクラはこれだから困るね。ははは。


というわけで突然ですが、コメントくださいました皆様どうもありがとうございます。ちょこっとだけレスします。

>Old Y さま
交際費をほとんど使わない会社ってのもありますね。私が直前まで勤めていた会社がそうでした。業界のしきたりとか社風とかいろいろあるかと思いますが、経営陣の気持ち次第という感じがしますね。

>けんづる さま
ルールとその運用の問題だと思うのです。問題があれば改善するのが望ましいと思いますが、改善をしていく場合に気をつけねばならないことがあります。それは「誰も悪者にしないこと」だと思います。現状を放置すると問題が生じたときに誰かが悪者にされてしまいかねません。悪者をつくらないためにルールや運用を改善するのです。私は基準をそこに置こうと思っています。

>CSの語り さま
ウチの会社に対して最初に感じたのは「公益法人ってこんなんかな?」でした。なぜだと思います?それはCSの語りさんあたりだと敏感に感じていらっしゃるのではないかと思っていたりします。

>oyasan さま
いやあ~、困っちゃいないんですけどね。悪い会社じゃないんですよ。皆さんマジメで。不正が起きないのがその証拠。私みたいなのが紛れ込んでヨカラヌことを企んだりすると、穴だらけでやりたい放題になりそうだ、ってことが問題だったりするわけです。

>わいすけ さま
なんだかんだいってもビジネスは結局のところ人間関係だと思うのです。コネをつくったり、コネのメンテしたりに使うカネが交際費なんですね。それが必要かどうか、よりも、そこに必要かどうかが問われているかもしれませんね。経営陣の考え方が反映されるところです。

>★エム さま
ルールを守るのが困難なら、守れるルールにしてしまう、というのもアリで、そこらへんがコンプライアンス上のキモでもあると思っています。といっても限度ってものがありますが。守らずにはいられないというか、守ってしまうような仕組みのルールにしてしまうためには、経理マネージャーごときが一人でなんとかできる範囲を超えていますので、周り(会社組織)をどう動かすか、工夫のしどころでしょうね。
ところで★エムさま、かの地での暮らしぶりはいかがでしょうか?今度、一時的であっても東京にお立ち寄りの際にオフ会が催されるようであれば、ぜひお目にかかりたいものだと思っています。(え?やだ?…そんなぁ…)

次号は今のところ頭の中で熟成中です。えへへへへ。


by 045 ch-k (2009-05-18 00:14) 

ke_co_ltd

★けえ
熟成もいいけど、はやく原稿くださぃ
とかいいつつまだちょっと記事たまり中です、
でもしばらく毎日UPできるようにしたから
送ってくださぃなー(まだかいてないよという言い訳は恋が飼えないからだめだよぉ?)
by ke_co_ltd (2009-05-28 00:14) 

045 ch-k


えっ?…まだ…いえ…あの…もごもご…。


by 045 ch-k (2009-05-29 18:46) 

033 オーヤ

読ませていただいてから相当時間が経ってしまい、
かなり周回遅れですが…どーしても。
ch-kさん、とっても、いいお話でした。特に、

「会社はフィクション」

のお話…いや、本文も良かったのですよ?もちろん。
でも、部長さんとのエピソードが、私のツボにはまりました。
先日、私の部下が会社の現状を嘆くのです。曰く、
ウチの会社にはどーしてまともな方針がないんですかだの、
なんで人の評価もできない人が管理職になっているんですかだの…
その彼に「あのなあ、○○君…」と、ちょっと言って聞かせようとして、

「会社なんて、所詮は、なんちゃって、って感じの喜劇みたいなもんなんだって。
そんな立派なもんじゃなくてさ、なんじゃそりゃ、っていうのばっかり。
でもね、それでも、曲がりなりにも、こーやって続いてきたわけでさ、
それを、これから、どーいう物語にするかっていうのは、あなたたちが…」

と自分で口にしたあたりで、

「…はて?どっかで、聞いた話だなあ」

と自分で自分に突っ込んだら、それがch-kさんの、このお話でした。
私の潜在意識にも刷り込まれていたのですねえ…
お察しするに、人生の師とも言える方だったのですね。
そんな、いいお話を分けていただき、ありがとうございました!!

by 033 オーヤ (2009-06-02 22:53) 

045 ch-k


>オーヤさん
私も言っちゃってますよ。後輩や部下に向かって偉そうに受け売りの「フィクション」を。

キミねえ、人が書いた話を不満たらたら言いながらたどっていくのと、自分達で話を書きつづっていくのと、どっちがいい?どうせなら、書く側になろうよ。って、熱く語ったりしています。

私に「会社はフィクション」という言葉を与えてくれた部長は、謎かけだけして答えをくれませんでしたが、かえってそれがよかったのかな、なんて思っています。自分でその言葉の意味を考えることができて。

人生の師ですね。ずっと考える課題を与えてくれましたから。人との出会いって不思議ですよね。その部長に出会えなかったら、「会社はフィクション」だなんて言葉に出会うこともなかったし、その意味を考えることもなく、人が書いた物語をただ黙ってたどっていたかもしれません。私の宝物です。


by 045 ch-k (2009-06-02 23:57) 

033 オーヤ

>ch-kさん

早速ご丁寧なご返答、というか、いつも過分なお心遣いを頂きまして恐縮です。
「宝物」というお話から、少し、調子に乗りまして…

最近、思うのですが、師との出会い、というのは実に得難いものですよね。
自分からみて、すごいな、と思う人は、ある意味、いくらでもいらっしゃるわけです。
でも、それらの人は「皆わが師」ではありますが、そーいう意味ではどんな人でも師です。
じゃあ、心底から師と仰ぐ人というのは、どーいう人かというと…
当てずっぽうですが、何か、響き合うような関係があるような気がするのです。
師のほうも、本人にはほとんど何の得もないのに、というか損得でなく、
こちらのことを気にかけてくれ、絶妙の課題やら、心遣いをくれるというか…

別に、師だって、人間としては弱いところや、イマイチの部分もいっぱいあって、
もしかすると、別に能力的に圧倒的に優れるとかは、必須とはいえないかもしれず、
ある状況を生き抜いてきた人としての重み、みたいなものが魅力の本質かもしれませんよね。

私は傲慢で唯我独尊的性格なので、基本的に一匹狼として生きてきたのですが、
ここ5年ほどは自分の父親ぐらいに歳の離れた人ですが、師と仰いでいる人がいます。
芋焼酎をこよなく愛し、趣味はパチンコで、飲むとやめたはずのタバコに手が伸びて
こちらが死ぬほど忙しくとも「おい飲みに行くぞ」と言えば絶対命令というわがままさんですが、
その人と付き合ううちに、自分に欠けているモノに素直に向き合えるようになった気がします。
何をいまさら、と思われるかもしれませんが、不思議なものですよね。
師を持てずに、独学自己流、一匹狼でやってきた人間にとっては、特に。

で、思うのですが、ch-kさん、どなたかから師と仰がれているのではないでしょうか?
というか、たぶん、ch-kさんに救われている人は少なくないはず。
というと、きっと、ご謙遜されるかと存じます。が、ある種の義務のような気もするのです。
自分の受けた「施し」を、どこかで、引き継いでいくというか…

私も、せいぜい、頑張ります。まあ、こればっかりは、本人だけではどうにもならず、
相手があってのことですから…「器」の問題でもありますしね…

…と、ずいぶん脱線してしまいました。

そういうわけで、書き忘れました本題いきます。
続き、とても期待しております。ch-kさんの「本領発揮」編ということで♪
亀レスかもしれませんが「必ず」コメントをさせていただきます!!

それでは~
by 033 オーヤ (2009-06-05 00:11) 

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