THノベルズ「決意(determination [図書室]
…まてよ? 俺はあの男を知っている…。
どこだ、どこで見かけた…
昨日から考え続けているが、結論は出ない。思い違いだろうか?
ふと、交番の外に目をやった時、その答えがやってきた。
「あの女だ…。」
警らの途中、あの女の家から出てきた男。間違いない。
なぜ、奴はあの女の家から出てきたのか?
2週間後、奴は再びコンタクトしてきた。
*****
当直を終えた医師の携帯に、着信アリのメッセージ。あの日、彼女の夫が死んだ日から連絡を拒んできた彼女だった。
もう彼女なしの人生は考えられない。そのために彼がしたことを、彼女はおそらく知っているはずだ。
いつもの場所で会いたいと言う、留守電の声は震えていた。
何があった?そんな不安が残る一方で、抑えきれないほどに胸が高鳴る。
助手席に滑り込んだ彼女は、抱えていた封筒を医師に渡した。
原稿を読みすすめるうちに、顔から血の気が引いていくのが分かる。
「これは…」
そして昨日の出来事を、彼女は医師に語った。その「条件」も含めて。
「何も証拠はない…」
医師はつぶやいた。原稿を握りしめる手が震えている。
しかし、そんなものが意味を持たないことも、彼らは知っていた。
記事が発表されさえすれば、その目的は達せられる。
「条件」を飲まなかった場合の破滅。
それを確信させる悪意が、原稿からはあふれていた。
圧倒的な絶望の中で、「条件」だけが彼らの頭の中で大きく膨らんでいった。
*****
警官である彼にはその方法が分かっていた。
協力者の心当たりもある。
あとは決断を下すだけだ…。
*****
…あれから二か月が過ぎた。既にあの男には数十万がわたっている。
一体いつまで続くのだろうか…。行き場のない絶望だけが、彼女を支配していた。
そんなある日、ドアを開けると制服の男が立っていた。あの時の警官だ。
「ちょっと、お話を伺いたいのですが…。」
「この男を知っていますか?」
警官の差し出す名刺を見た瞬間、膝から力が抜ける。
「ご存じのようですね。少しお邪魔させていただいてよろしいですか?」
彼女はあらがう気力もなく一歩後ろに下がると、警官を招き入れた。
*****
彼女から何度目かの連絡があった。
助手席の彼女から説明を聞き終えると、
医師は、震える手で彼女のそれを握りしめた。
*****
部屋のドアが薄く開くと、キーホルダーが床に落とされた。
これから部屋で行われることを頭から振り払う。
医師を支配していたのはたったふたつのこと。
守り切れなかった後悔と、新たな決意。
*****
誰にも知られてはいけない…
彼らのつながりでさえも…
そして、ついにその日がきた。
-----------------------------------------------------------------
こんにちは、THです。
さて、次回いよいよ最終回です。
つたない文章でしたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
(って、まだ早いですが)
あと一回、よろしくお付き合いの程お願いいたします。
次回の掲載は、8/20です。少し時間が空きますが、お盆休み取らせて
いただきます。
あと、うっかり見落としていたのですが、100投稿達成とのこと。
けえちゃん、&猫師匠その他登校陣の皆さま、お疲れ様でした。
さて、いよいよ今週末!楽しみです。
ダルコさん、やまだ。さん他、プロフィールページお疲れ様でした。
FLAMYですね。笑ってしまいました。このセンスに脱毛、いや脱帽です。
明後日は、ゆっくり飲んで下さい。
では、当日!
どこだ、どこで見かけた…
昨日から考え続けているが、結論は出ない。思い違いだろうか?
ふと、交番の外に目をやった時、その答えがやってきた。
「あの女だ…。」
警らの途中、あの女の家から出てきた男。間違いない。
なぜ、奴はあの女の家から出てきたのか?
2週間後、奴は再びコンタクトしてきた。
*****
当直を終えた医師の携帯に、着信アリのメッセージ。あの日、彼女の夫が死んだ日から連絡を拒んできた彼女だった。
もう彼女なしの人生は考えられない。そのために彼がしたことを、彼女はおそらく知っているはずだ。
いつもの場所で会いたいと言う、留守電の声は震えていた。
何があった?そんな不安が残る一方で、抑えきれないほどに胸が高鳴る。
助手席に滑り込んだ彼女は、抱えていた封筒を医師に渡した。
原稿を読みすすめるうちに、顔から血の気が引いていくのが分かる。
「これは…」
そして昨日の出来事を、彼女は医師に語った。その「条件」も含めて。
「何も証拠はない…」
医師はつぶやいた。原稿を握りしめる手が震えている。
しかし、そんなものが意味を持たないことも、彼らは知っていた。
記事が発表されさえすれば、その目的は達せられる。
「条件」を飲まなかった場合の破滅。
それを確信させる悪意が、原稿からはあふれていた。
圧倒的な絶望の中で、「条件」だけが彼らの頭の中で大きく膨らんでいった。
*****
警官である彼にはその方法が分かっていた。
協力者の心当たりもある。
あとは決断を下すだけだ…。
*****
…あれから二か月が過ぎた。既にあの男には数十万がわたっている。
一体いつまで続くのだろうか…。行き場のない絶望だけが、彼女を支配していた。
そんなある日、ドアを開けると制服の男が立っていた。あの時の警官だ。
「ちょっと、お話を伺いたいのですが…。」
「この男を知っていますか?」
警官の差し出す名刺を見た瞬間、膝から力が抜ける。
「ご存じのようですね。少しお邪魔させていただいてよろしいですか?」
彼女はあらがう気力もなく一歩後ろに下がると、警官を招き入れた。
*****
彼女から何度目かの連絡があった。
助手席の彼女から説明を聞き終えると、
医師は、震える手で彼女のそれを握りしめた。
*****
部屋のドアが薄く開くと、キーホルダーが床に落とされた。
これから部屋で行われることを頭から振り払う。
医師を支配していたのはたったふたつのこと。
守り切れなかった後悔と、新たな決意。
*****
誰にも知られてはいけない…
彼らのつながりでさえも…
そして、ついにその日がきた。
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こんにちは、THです。
さて、次回いよいよ最終回です。
つたない文章でしたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
(って、まだ早いですが)
あと一回、よろしくお付き合いの程お願いいたします。
次回の掲載は、8/20です。少し時間が空きますが、お盆休み取らせて
いただきます。
あと、うっかり見落としていたのですが、100投稿達成とのこと。
けえちゃん、&猫師匠その他登校陣の皆さま、お疲れ様でした。
さて、いよいよ今週末!楽しみです。
ダルコさん、やまだ。さん他、プロフィールページお疲れ様でした。
FLAMYですね。笑ってしまいました。このセンスに脱毛、いや脱帽です。
明後日は、ゆっくり飲んで下さい。
では、当日!
緊迫してきました。
それぞれの登場人物が一定の距離を保ちながら螺旋を描きつつ渦を巻くように中心をめざして一気に…。
ところで、「自己紹介」とは?
新たな謎ですね。
by 045 ch-k てゆーかC★ちさとでーっす! (2009-08-06 10:03)
まちがえた。
誤 「自己紹介」
正 「プロフィール」
訂正します。
え?お詫びも?
by 045 ch-k てゆーか(以下略)… (2009-08-06 10:08)
THさん
いやぁ~凄いですね。
もう、多方面の展開を目まぐるしく回転させる様は
トム・クランシーを読んでいるかのごとしです。
ラストが楽しみです。グレン・ミードばりのドンデンガエシ?
そうそう、遂に明後日お会いできますね!
物凄く楽しみにしています。
大体(おっちゃん達は)同じくらいの年齢層ですし、
楽しみです。
by A.U. (2009-08-06 13:14)
あぎゃ…。
「プロフィールページ」って、フリフェス参加者のためのページのことだったのですね。
ストーリーと全くカンケーのないマヌケなコメントしちゃってすみませんでした。
参加者のみなさん、いよいよですね。楽しんでくださいね。
by 045 ch-k てゆーか(以下略)… (2009-08-06 18:19)
THさん いよいよ 一点に近づいてきましたね。
あとで 読み返さないと伏線はわからないけど
お盆だし、●暗で・・・覚え切れてません。みなさんのプロフも同じく覚えれてません・・・。
でも たのしみます。88よろしくおねがいします。
by 032_oyasan@まおたん (2009-08-06 19:44)
いよいよ最終回
さっき周回遅れのコメしてきたしえすただす(笑)
次回最終回…。
早く見みたいような、もったいないような。
で、最終回の次は何を書くんですか?(ぇ
でも、道明寺ネタっていうことはありませんよね(笑)
by 061 CSの語り061 CSの語り (2009-08-11 05:54)