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《白旗新聞》【好事,魔多し】--good loser-- [スポーツ観戦記] [校内新聞]


今年もマスターズが終わってしまいました。またもや劇的な展開で。

勝負の世界では偉大な勝者の影には素晴しい敗者が必ずいます。特にゴルフのマスター
ズトーナメントは,劇的な敗者が誕生することが多いようです。伝統的にマスターズで
は最後の最後でどんでん返しが起こることが繰り返され,それによる幾多の栄光と挫折
の物語が綴られています。これがマスターズの魅力の一つであり,今年は48歳ケニー
・ペリーがgood loserになってしまいました。頂点に立てる者と逃す者をわける差は何
なのでしょうか?

早起きしてTV観戦していた方はご覧になったことでしょう。彼が16番でスーパーショッ
トを放ってバーディーを奪取し2打差のトップに立った事を(片山プロより近くに寄せ
ましたね)。
あそこの場面は,普通のトーナメントであれば優勝を決めた一打。まさに決定的な場面
になるハズで,彼がグリーンジャケットに片腕を通した瞬間のハズでした。残り2ホー
ルで2打差はトッププロにとっては大きなアドバンテージです。

でも,逆の意味で劇的な瞬間になりました。結果論だから言えることですが,届きそう
になった栄光が手の中からすり抜けて行くという悪夢が始まった瞬間だったようです。
長年のマスターズファンは16番が終わっても,このままスンナリ終わる訳がないと思い,
劇的な展開,まさかの逆転劇を期待するものがあったことでしょう。私も,ガンバレ
48歳と応援しつつも,逆の展開も期待してしまう矛盾したワクワク感を持ってTV観
戦していました。

最終日の中盤まで,劇的にトーナメントを盛り上げてくれたのは,フィル・ミケルソン
とタイガー・ウッズでした。ビッグネームの最終日の大逆転優勝。誰もが期待し熱狂す
るであろう展開。今年の悪戯な妖精の描いたシナリオは,そんなに単純ではありません
でした。
 大器晩成型の苦労人がつかみかけた栄光をあと少しの所で逃してしまう。ある意味,残
酷な結末。優勝者から見れば,諦めない姿勢が生んだ快挙ですね。
 マスターズの歴史に綴られるケニーは優秀助演賞の一人でしょう。個人的にはマスター
ズ史上の最優秀助演賞はグレッグ・ノーマンだと思っています。一時期のフィルも最優
秀助演の権利がありましたが,既に主演の座を獲得しています。(マスターズの歴史に
詳しくない方へ解説:一度も優勝していなくて劇的な敗れ方をしたことがあるスーパー
スター選手という意味です。ちなみに,最優秀主演賞はジャックでしょうか。流石のタ
イガーもまだ最優秀ではないと思います。でもこの意見には異論が多いことでしょうね。
この場合,当然ニクラウスのことです。スパローやバウアーではありません。念のため。)

本当にオーガスタには魔物が棲むのでしょうか?多くの解説者は,「自分に潜む弱さが
露呈することが魔物の仕業に見える」と評することが多いようです。
 16番でバーディだったことでケニーの心に隙,あるいは欲,または動揺が生まれたと想
像することは容易です。明らかに17番,18番,そしてプレーオフでの姿は,16番までの
彼の姿が何処にもありませんでした,まさに別人。何が彼を変えたのでしょうか,まさ
に魔物に魅入られたようです。

 少し遠めから冷静に眺めれば,幸運もそうでない事も各選手に均等だったとも言えます。
しかしフィルもタイガーも勝負所のパットを外してしまいました。
 運という意味ではタイガーの18番。優勝の可能性が消えて林の中から放った1打は
木に当たって18番フェアウエーから遠い方に跳ねました。
優勝したアンヘル・カブレラは,木に当たってもフェアウエーに出てきました。
それは幸運に助けられたものかもしれません。
 でもアンヘルはそこからスーパーショットでピンチを切り抜け,結果,優勝しました。
運を味方にした具体事例であり,ピンチの中に訪れた幸運をチャンスに変え勝利に結びつ
けた典型例とも言えそうです。

「ピンチはチャンスだ!」最近,良く聞く言葉です。逆にすると「チャンスはピンチ」です。

ケニーの16番のスーパーショットは幸運なんかじゃなく,実力の成せる技だと思います。
バーディーパットも近くても気の抜けない位置だったように見えました。あそこの場
面までは実力で栄光に近づいていたのは事実だと思います。でも,何かが足りなくて彼
は頂点に立てませんでした。決してツキが無かったと片付けてはいけない何かが足りな
かったようです,私には根幹の所を理解できていない何かが。頂点に立てる者と逃す者
をわける差は何なのでしょうか?巷の著名な解説評論家の方々のコメントを読んでも,
ストンと落ちない自分がいます。

”好事,魔多し” 

自ら呼び込んだ好事でも最後の詰めに失敗するとgood loserになってしまう,頂点に立
てる者と逃す者をわける差は何なのでしょうか?しかし,彼にとっての栄光はマスター
ズ優勝とは別の次元にあるとすれば,good loserと言ってはいけないのかもしれません。

ケニー・ペリーが主演する映画に例えるなら,苦難と激闘の末の大勝負では結末がハッ
ピーエンドではないものの,エンディングで愛する家族と抱き合い深い絆を確かめ合う
ような感動的なシーンでエンドロールに突入とでも表現できるでしょうか。見かたを変
えれば敗者ではないよ,と伝わるストーリ。映画の世界なら有り得ると思います。もっ
ともフランス映画ならスッキリしないエンディングが用意されているのかもしれません。

勝者と敗者,あるいはデキルヤツとボンクラな奴の判定基準は千差万別で,一方から見
ればボンクラでも裏から見ればデキルヤツも有りだとして,そこに存在するハズの境界,壁,溝,大河・・等々,それらの正しい解釈を理解できる日が訪れるでしょうか? 
私にも。[完]
by AP2
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ke_co_ltd

Ap2さんよりいただきました!
皆様ゴルフ談義はここで!
by ke_co_ltd (2009-04-20 23:09) 

ch-k

「好事魔多し」

私が中学1年生のときに、当時の担任から戒めとして授かった言葉です。どんなにうまくいってる時でも気を抜くな。浮かれるな。調子に乗るな。油断するな。と。

いつだって人間は簡単に躓いて(←本当は自分じゃ書けません)しまうもの。「買って株との尾を閉めよ」←なんだこりゃ? 勝ってなくたって、いつでも兜の緒を締めてなくてはいけません。思わぬ落とし穴がすぐその足元に口をあけて待っているかもしれないからです。

ゴルフはその人の「今」を顕わす。

また自分じゃ書けない字を書いちゃいますが、こんなことを言ってた人がいたような気がします。ゴルフじゃなかったかもしれませんが。

この際、そんなことはどうでもよろしい。何をするにしても、その行為には、その人の人となりが顕れるものと思います。分かり易いところでは仕事ぶりとか。きっと、生き方ってもんが出ちゃうんでしょうね。にじみ出ちゃう。恐いことですよね。見えちゃう人には見えてしまう。見透かされてしまう。

だ・か・ら、気を抜くわけにはいかないんですよね。勝負してる限りは。逃げたいときもあるけれど。逃げちゃダメなんです、逃げちゃ。

と、自分を戒めています。ときどき、っていうか、きわめて頻繁に忘れがちだったりしますけど。そんな弱さも含めて自分。弱いからこそ虚勢も張るけど、身の丈を知って、ちょっと背伸びをし続けて、日々これ成長。なんてね。できればいいですね。

全然ゴルフに触れてませんね。

まあ、私ってば、20年くらい前に、ゴルフを始める=上司の送り迎え⇒そんなの絶対したくねえ!って思って、ゴルフバッグ積めない2シーター買って、ついでにゴルフセット買えるくらいのお金をセルマー買うのに注ぎ込んだりして自分にトドメ刺したりしちゃったひねくれ者だったりするので、他人の好プレイは素直にスゲエって思えるんですが、自分じゃしないので偉そうなこと言えなかったりするんですよ。

ああ、なんだか記事から遠く斜め45度上方を入っちゃってて申し訳ないです。次のコメントする人に期待してお詫びに代えさせていただきます。

って全くお詫びになっていない件。

by ch-k (2009-04-21 00:45) 

AP2

白旗新聞の主旨に馴染むかどうか未だにわかってませんが,これも載せていただいて,感謝しています。

校長先生は,その昔文壇の大御所に向かって「ゴルフはやりません(キッパリ!)」と豪語されたそうで,そういう意味では学園向きのネタではなかった鴨。

ch-kさん
コッチにもコメントありがとうございます。

>ゴルフはその人の「今」を顕わす。

その他の趣味でも,その人の性格が見えるとは思いますが,ゴルフは その傾向が顕著だと思います。
では,また

by AP2 (2009-04-21 08:58) 

oyasan

気づくのがおそい。AP2さん ごめんなさい。

いい生地ですね。
個人的にはタルト生地が好きですが、デートでは鯉もかえません。ぽろぽろこぼすから。

って、冗談はさておき、私はよく全英オープンをみるのですが、終盤での逆転劇とかミラクルプレーって ほんと多いですよね。
気持ちで左右されてるんだろうけど、だからこそ、見ていて面白い。

グリーンの中に 魔物だけでなく、人生が潜んでいるんですよね。


by oyasan (2009-04-21 12:49) 

Old Y

AP2さん、やっぱり「愛」がありますね!

ゴルフへの愛、プレーヤーへの愛を感じさせて頂きました。

>最優秀助演賞はグレッグ・ノーマン

流石です。私もそう感じていました。
たしか彼は私と同い年だったと記憶していますが、ホワイト・シャークって言われて怖れられていた当時、何故か勝てなかった。
チャンスは幾度とあったのに・・・。

同世代として応援してましたが、道具は実力が伴わないので他社製品を愛用するといういささか怪しげなフアンです(笑)

私がゴルフに一番情熱をかけていた頃です。
最近は福沢さんの都合?がつかなくて、年に1、2回行ければという状況ですが、機会があれば是非ラウンドしたいですね!!

MTN-Ⅲ使いのヘボゴルファー

by Old Y (2009-04-22 23:51) 

AP2

 お忙しい校長代理のお手を煩わせるのも心苦しいので,って言うか,正直に言えば,新トピにするほどの自信がないこともあって,ここのコメント欄へ投稿することにしました。
 名前を名乗れなくて眠くて滑る方のやり方をパクッタともいえます。

 異論・反論・オブジェクション。ことゴルフに関しては,様々なお考えがあると思います。ゴルフに詳しい方もそうでない方も,本ネタに関して厳しくご指摘していただきつつ,ご助言, ご支援,を頂けると幸いです。By AP2

* * *

万年ダッファーが「思わず漏らす言い訳」から見る生態学

 瓢箪から独楽。冗談から駒ならぬ戯れコメ。気まぐれで書いた白旗新聞のスポーツ観戦記で墓穴を掘ってしまい,みょーな展開になってしまいました。とは言え,大校長先生より直々の宿題を頂いたのに「長文に紛れてシッカリ読み落としていましたぁー。デヘッ!」などと,今更の天然ボケを装うことも出来ず,こうして身の程もわきまえない投稿を試みました。

 私のNBO一番の愛読コラムは,ライフ・健康コーナーなのはホントです。でも,米国ゴルフツアー”たった一言”ストーリこそ,毎週枠枠と心待ちにしているのは実は実話ですとか,勝負を分けた「一打の背景」,至福な風景/世界の名コース,石川次郎 豪打の旅人,Course Architect 戦略とは何か?,弘兼憲史のゴルフ&ワインなど名コラムの更新が無くなったのがすごく悲しいなどと,戯れ言が無くなってすんごく悲しいというコメントを投稿していないくせに,この学園で,今まで隠していた本音を吐露しては鯉も飼えませんし,後が怖いのでそんなことは決して口に出して言えないので,書いてしまいました。デスラーな暴挙ですね。どれくらい?サッカーブラジル代表並み(冷汗)。

 某コラムを見習って最初から脱線してます,って書きながら,そもそも乗せるべき規定路線が無いので脱線するハズもないのですが・・・・などと冒頭から暴投。

 でも懲りずに,とりあえず前振り。

 ゴルフでも種々のレッスン書に止まらず,定期刊行誌の定番記事,あるいは定期刊行の専門誌,小説,随想,伝記,エッセー,コラム,専門サイト,ブログ等々,多種多様な媒体で,星の数ほどのネタが溢れています。また文壇の方々によるゴルフをネタにした名著も沢山ありますね。しかるに万年ダッファーである,どこの馬の骨かわからないコメント投稿者が寝ぼけた感想を書いたとしても,どこかで聞いたことのあるネタが出てくるかもしれません。星屑にもならない気がします。

 冒頭の「独楽」で既に思い当たることがある方へ。ゴルフネタにお詳しい方のハズですので,貴重な時間を使っていただけるなら当学園の他の記事をご覧いただくか,あるいは私に代わってゴルフネタ続編の投稿をお願いします。スーダン国境近くのエチオピアの町でそう思います。

 オット,下手な前振りはもう止めて,本題に入ります。

 宿題になってしまった,ゴルフで性格が垣間見える瞬間のお話。

 ゴルフは失敗の連続で成り立つ競技ですよね(あえて暴論)。究極の完璧な奥義を極めたゴルファーなら,カップに届く距離から放った球は全てカップインできるハズ。タイガー・ウッズもミスを連発しているものの,他のプレーヤーより相対的にミスの数が少ないゴルファーと言えます。ここではゴルフの特徴をこのように定義します。

 しかるに,万年ダッファーの分際でタイガーを論ずるなんて身の程知らずも甚だしい私は,ショットのたびに,自分の基準(叶わぬ理想)で評価してるので,ナイスショットが出なくて,その都度「言い訳」を口にし,あるいは「ボヤキ」を連発することになります。

 「ちょっと煽ったけど,まぁOBじゃ無いからいいか(自身の本音:OBかもってヒヤヒヤ。でも照れ隠し)」とか「ちぇ。距離間違えた(チャント打てたのにぃ との意味)」とか「チョイダフったぁ(方向はピン方向なのに手前に球が落ちた時の定番)」「カンダな。or当たり薄ッ。(これも手前に球が落ちた時,多小上級者を装いたいとき)」「風がぁ(前後左右にぶれた時に重宝する言い訳)」「ライが悪すぎぃ(フェアウエイからなのにうまく打てなかった時の照れ隠し)」「アドレスの向きがぁ(たまには高尚な悩み風のネタも混ぜます)」「傾斜がぁ(元々そんな所から打てる技術はないけどラフからの一打の言い訳には最適)」「つかまえ過ぎちゃった(左に外したときの定番)」「コスッタかぁ(これは右に行ったときですね)」「まさか。そんなぁ。安奈ぁぁぁ~!」などと言い訳やボヤキを書き連ねるだけで,相当な文字数を稼げますね。言い訳しなくても結果を見れば一目瞭然の事象について,いちいち自己解説して言い訳したくなるのが,万年ダッファーの万年ダッファーたる所以です。

 ゴルフやる方,みなさん思い当たりますよね。ゴルフは稀に自画自賛することもありますが,プレー中のほぼ全ての場面で,言い訳やボヤキを口にすることが珍しくないスポーツです。次のショットまでに時間が空くので同伴プレーヤーと会話する時間が多いのも一因でしょう。中には無駄話しないで,淡々と自分のプレーに集中してラウンドする方もいらっしゃいますが,それはそれで性格が垣間見えることになります。

 特に,程々の結果だった時のショットに対する本人の挙動を観察すると,その方の性格が類推できると感じています。

 程々とは,例えばピンフラッグ(カップ)から遠いもののグリーンの端にパーオンした時とかをイメージしてください。無論,完全なるミスショットで,OB,池ポチャ,ダフリ・トップ・空振りで球が飛ばず,などの極端な場面でも言い訳したくなりますが,それは別の機会に(続編が書ければの話ですが・・・)。あと,今回では,なにかにつけ自画自賛や自慢ばかりする,やや自己中な方のお話は含みません。

 この程々の場面での反応は,性格以前にゴルフの腕前に応じて千差万別です。さらに,ショットする直前までのプレーの流れによって,好調なのか,最悪なのか,そのうえ一緒にラウンドする面々が,接待なのか,仲間内なのか,上司のお付き合いなのか等々の兼ね合い,その他諸々の場面設定を解説するだけでも文字数が増えそうです。

 細かな状況の違いによる心理的な不確定要素には目をつぶって頂き,ザックリと捉えて頂いたうえで,私の独断と偏見による分析。
 程々の結果を生んだ場面こそ,自身の性格が如実に現れてしまう瞬間,と私は考えます。
 どのような観点からその程々の球の位置を自己評価し,その結果について,自慢するのか,喜ぶのか,あるいは悔やむのか,が結構ハッキリ分かれる場面なので万年ダッファー生態学の絶好の観察ポイントだと思うからです。

 これからの例示は,私が過去にラウンドをご一緒したことのある方々の印象を,てきとーおに脚色して書きますので,特定の個人を誹謗・中傷する意図はありません。念のため。ネタバラすれば,昔々学生の頃,キャディーのアルバイトに明け暮れていた時に,私に高価なバイト料を払ってくださったお客さまと接していた経験による記憶が元ネタです。

 場面設定をもう少し絞ります。グリーンの端でも比較的安全サイドに乗っていて,グリーンも平坦でパターの距離感で大失敗しなければパーを取れる確率が高かそうな場所に球が乗ったと仮定しましょう。それから,ここまでのスコアも程々,天気も程々,同伴者との新密さも程々にしておきましょうね。要するに,今までの所では,大きく喜んだり,落ち込んだりする場面が無かったとしておきます。

 ここまで書いて,すでに挫折ギミ。

 自分のメージを文字で伝えようとすればスルホド,長文黒犬になるようです。マッ,素人なんだから,悩んでも解りやすく書けないものは,書けないので,諦めますけど。
 それに,文豪の方々が書いたゴルフネタの本はウンチクに溢れていますが,文章として読みやすいかどうかが別問題な事と,対極的ではありますが,ナンとかとナンとかは紙一重と言う言い方もできますので(ホントか?)開き直ってしまいます。
 ここまで読んでも場面のイメージが湧かない方,ゴメンナサイ。私の表現力が至らないせいです。でも,続けます。確か,脱線してもとにかく主題に戻るよおーにって,教えてもらったハズ。

よくある言い訳:「チェッ。逃げちまったゼ」
 この状況にで失敗したとのスタンスで言い訳またはボヤク方は,かなりの確率で「ツモリ君」の資質があると思います。自分の腕を過信してるか,自意識過剰なテングか,身の程知らずか,いずれにしろツモリ君が発することが多い台詞だと思います。
 内心,チャント打っていればベタピンのハズだった(自分はもっと旗の近くを狙って打っていける力量がある)。かつ,失敗しても比較的安全な場所に外れるよう,そこまで考えて打った(私,コースマネジメントが出来てます)。と勝手に自負していて,同伴者にその事を聞き取ってもらいたい願望をこめて言っているなら,完璧にツモリ君ですね。

 もっとも,結果オーライがミエミエなのに,この台詞を多用するとゴルフ友達が減るかもしれません。ショットと打球の行方を見ていれば,その結果が,その人の誤差の範囲なのか,運が良かった結果オーライなのかは一目瞭然で分ります。なんであれ,見る人が見れば内容が伴わない事がミエミエなのが明らかな言い訳やボヤキには,お互い気をつけたいものですね。

 自戒を込めてもう少し補足。
「だいたいやねぇ,プロでも片手シングルでもないゴルファーが,パーを取る可能性の高い場所に乗せることができて,それでも,失敗したぁ,なんて態度を見せるのは,状況把握や認識がチョー甘過ぎ。シングル入りは永久に無理ちゅうことやね。」これってえらソ~な台詞でしょ。実は実話。旧知の片手シングル氏が,私に向かって諭すときの決め台詞の一つです。我ながら耳が痛いで麩。

 私が尊敬するゴルファーの一人である,故中部銀次郎氏によれば「グリーンを狙う(狙っても良い状況の)ときには,中心を狙って打つべし。グリーンの中心なら,何処にピンが切ってあろうとも,そこがベストである」との主旨のお言葉があります。このような心境になって毎回ラウンドしてみたいものです。ティーショットが終わるとたん,数本のクラブを持って林に向かって球捜しに走るゴルフから卒業できる日が来ることを夢見ている,私がここにいます。

 たまたまではなく恒常的に良いショットをするためには,技術的にはスイングの軸がシッカリしてることが大切のようです。頭で理解するのではなく,体をそのイメージに沿って動かすことが必要です。レッスン書では,コマが回ることをイメージしてスイングの軸を感じろ,などと書いてあることもあります。漠然とイメージできても,どうやって実践していいのかよく分からない教えでもあります。

 やっと「独楽」にこじつけた事が書けました。

 中部氏はゴルフ以外に影響しない範囲での私生活は,決してストイックではなかったそうですが,ことゴルフに関しては徹底的に厳しく自分を律して取り組んでいたそうです。その方が常連として通っていたお店の名前が「独楽」です。新橋のビルの合間の目立たない裏通りに,ひっそりとカウンターだけのお店があります。オンライン通りのドッカの珈琲店とは違って確実に存在しますが,たぶんネット検索しても出てきません。蛇足ですが,ゴルフ要約という名の出版社の方々が良く行くらしいと噂で聞きました(尚,中部氏の逸話については某定期刊行専門誌から得た情報が含まれます)。

今宵はここまでと致します。(4,700字近く書いちゃいました。我ながら吃驚)
はたして続編はあるでしょうか? 此野結末屋烏賊煮。(麩麩麩麩)

by AP2 (2009-04-28 19:09) 

032 oyasan

隠れ白旗新聞みっけ☆  BYおやさん

AP2さんへ。業師だねえ コメント欄から 白旗新聞を投稿するなんてっ、ゴルフ、くわしくは無いけど 見るのは好きです。
なかなか完璧なことってないんですね。

それでも、パーにまとめたり、しっかりスコアをまとめるってことは、ゴルフも人生なんだなぁって思いました。
そのときの状況で、精一杯つとめる。そして、結果をだしていく、すごいことだと思います。肝に銘じますね。

おやさん 好きな娯楽映画に 中島プロもでてくる、織部金次郎ってあるんやけど 中部さんが名前のモデルなのかなと思いました。


バーディー男  (パーより足りないw)
 もしくは
ボギー男 (パーより悪いw)を脱して すこしでも 自分を律していきたいなぁ。 おやさん


続き期待してますっ


by 032 oyasan (2009-04-28 21:09) 

045 ch-k


私はゴルフをやらない人間ですが、AP2さんの続編を読んで「ゴルフは言い訳のスポーツである」などと勝手に解釈してしまいました。ミスったときの言い訳はすごくよく理解できる反面、予想外に?上手くいったときにも言い訳(この場合は「もう少し上を狙えるんだゼ」アピール?)をするなんて、なかなか白犬ですね、人間性が滲み出ていて。

明らかなミスが予想外の好結果につながった「結果オーライ」について、私にも思い当たることがあります。ゴルフではなくサッカーで。

高校生のときの私はサッカー部に所属していました。試合にも出ていました。ある試合でのことです。相手陣内に攻め込んでいる場面です。私は右サイド45°のペナルティエリアとハーフウェイラインの中間くらいの位置にいて、センターからのボールを受けるところでした。味方フォワードが相手ディフェンダーの背後に走り込むのを視界の端に捉えた私は、相手ディフェンダーの頭上を越えてから走り込んでくる味方フォワードの足元にピンポイントで落とすパスをイメージし、それを実行しました。目標PKマークまで距離約25メートル。右足アウトサイドで軽くすくい上げるスライスボール。イメージは完璧。私にはパスを受けた味方フォワードが走り込んできた勢いのままダイレクトで蹴り込み、ゴールネットを揺らすシーンが見えました。……いえ、見えてたはずでした。

「あっ、ごめんっ!」

蹴った瞬間にわかるミスキック。軽くすくい上げるつもりがまともにミート。ボールは相手ディフェンダーどころか肝心の味方フォワードの頭上をも越えて飛んでいきます。スライス回転を与えられたボールは弧を描いて進路を右に変えつつ落下していき、そのままゴール隅に吸い込まれていきました。ボールが飛んでった先にゴールがあった。そんな感じです。蹴った本人も含めて誰もシュートを予測していませんでした。キーパー呆然。ぼく唖然。瞬間、ピッチ上は時間が止まったかのように沈黙。ちょっと間があってから審判の長い笛が聞こえてくるのと同時にベンチから雄叫びが上がり、私は味方のみんなから飛びつかれて揉みくちゃにされていました。直後に続けて笛が鳴り、ゲームセット。終了間際の決勝ゴールになったのです。

監督も補欠の選手もみんなが私を祝福してくれました。「ミラクルや!」「あそこでアウトでカーブかけるシュートとはなあ!」「アイデアがよかった!」「先輩!スパイク磨かせてください!」などなど。

いや、あの、実は、ほんとはね……もごもご……。

「なにを照れとんねん!」「素直に喜ばんかい!」「謙遜が似合うガラちゃうやろ!」「ええかっこすんな!」その他いろいろ続きます。でもね、ホントにミスキックなの。全く意図していなかったの。そりゃあね、イメージしたボールの軌跡の延長線上にゴールはあったかもしれませんけどね。狙ってないものは狙ってないんですよ。結果オーライで良かったかもしれませんけれども。私の複雑な思いはチームの誰にも伝わらず、今でもほろ苦い思い出として胸の奥にしまってあります。

by 045 ch-k (2009-04-30 15:56) 

016 AP2

oyasan 早々とレスありがとうございました。 

織金 は私も見ました。
金八先生と中部氏を混ぜて命名したのでしょうか?由来は分かりません。 私としては白犬の度合いがかなり微妙な印象です。プロゴルファーを目指す役柄を演じるのは難しいのでしょうね。できることなら,シニアプロの方に主演していただいた方がリアルだったのにとも思います。
 ケビン・コスナーも ティン・カップ という映画に主演していましたが,プロゴルファーを演じるの役作りは大変そうに見えました。ストーリは感動的なのですが・・・私としてはゴルフシーンにアラが見えて映像的に好きになれませんでした。
 ダメゴルファーが愛に目覚めて,再起を目指す感動ストーリなのですが・・・・某映画コラムで紹介される程の作品ではないカナ?

045 ch-k さん コメントありがとうございました。
 言い訳が多いのは,私自身の素がでて書いちゃったからかもしれませんね。上手な方は,次のショットを心配する主旨での前向きなツブヤキが多いかもしれません。(続編はこのネタか?)

 どんなスポーツにも結果オーライはあるものですが,ご紹介いただいたような,劇的なシュートを決めたことがあるなんてすごいですね。FWの動きを見ながらセンタリングをあげる技量があってこその結果じゃないでしょうか。
ところで,
 サッカーネタで新聞投稿は烏賊蛾?・・ なんチャッテ

では,また
 

by 016 AP2 (2009-04-30 18:02) 

045 ch-k


ありゃりゃりゃ、AP2さん、ご丁寧なレスをいただきまして恐縮です。AP2さんの記事を読んで思い出したことを思わず書き込んでしまいまして、どうも失礼いたしました。

さっそく「たった一言…」が載ってたので読みました。深いですね。ゴルフは精神力の闘いでもあるんですね。

TVのスポーツニュースなどで試合結果のダイジェストを見ていて「このあとパットが決まらずショットも乱れてスコアを落とし…」などというフレーズをよく耳にしますが、精神状態のわずかな変化がスコアにあらわれるコワさを感じます。

技術的にも精神的にも一流とされるプロでさえ、わずかな動揺にスコアが左右されるのですから、アマチュアの方の場合はもっとグラグラくるような経験を積んでいらっしゃるかと…。

一緒にラウンドしている女性の短いスカートに幻惑されたり、一緒にラウンドしている女性の視線が気になったり、一緒にラウンドしている女性のスウィングを手取り足取り臨時コーチになってムフフとか…平常心を保つのが難しそうですね。

そっち方面はどうなんでしょうか?気になります。

by 045 ch-k (2009-04-30 20:10) 

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