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僕はここにいるよ ~自主制作映画『GETAWAY』エキストラに参加して、エンドロールに載ろう!~  [夏休みの宿題提出箱]

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「3、2、1、キュー」「カット」
犬飼監督は真剣な眼差しでカメラをのぞき込む。指示を出す。

初夏の蒸し暑い日。自主制作映画『GETAWAY』は民家を借りて撮影されていた。
太陽が照りつける。開け放った窓を背にする主人公の顔に、わずかに影がかかる。

「レフ、もう少し上を照らしてください。もう少し、もう少し上。ストップ。そのまま」

照明の、数センチの具合にも妥協はない。
犬飼監督の視線が、カメラのファインダーに注がれる。
カメラが回り始める。息をするのもはばかるほど、空気が張り詰める。

自主制作映画『GETAWAY』。
30才でうだつのあがらない主人公が、障害にぶつかりながらも、自分の道を見つけていく物語。
監督を含め、撮影スタッフは全員が30才前後。いわゆる「R30世代」だ。

どうして自主制作映画を撮ろうと思ったのか。何が衝動を駆り立てたのか。
監督の犬飼俊介さんにインタビューした。

(聞き手:MK)


――お忙しいところ、ありがとうございます。さっそくですが、まず映画の概要を教えてください。

犬飼 俊介 監督(以下、犬飼) 小説家志望の30歳のサラリーマンが、意地悪な上司のいやがらせや、自分自身のマイナス思考と戦いながら、夢を叶えるために奮闘する、というストーリーです。


――何故、映画を撮ろうと思われたのですか?

犬飼 ひとつは、今は昔と違って、比較的安価に本格的な編集機やカメラ等の機材が手に入るという事。
もう一つは、かつて高校時代に撮ったショートムービーの、続編のようなものをいつか撮りたい、と考えていました。

転勤の多い職場にいて、ちょうど地方から東京に帰ってきた直後というタイミングでした。
むこう1年は転勤は無いだろうと踏んで、友人たちに声をかけまくったら、スタッフもある程度の人数がそろったので、撮影に踏み切る事にしました。


――テーマを「R30世代」にフォーカスした理由を教えてください。

犬飼 「団塊の世代」や「バブル世代」にくらべてR30世代は、「ロストジェネレーション」「狭間の世代」と呼ばれて、特徴の無い世代であるかのようなイメージが定着しつつある。個人的に違和感を持っていました。
世代別自殺率で、30歳代が増加傾向にあるというニュースを警察の統計で知りました。
自分自身を含めたR30世代の応援歌のような映画が作れないかと考えました。


――監督自身が、R30世代の閉塞感に、何か共感するものがあったのでしょうか。

犬飼 うーん・・・。転勤先で、環境が変わって、自分の思い通りにできない、仕事がうまくいなかないようになって、精神的にもキツイ状態になっていたんですけど、それで、同僚に相談したら、「自分も同じ」という返答だった。
仕事うまくいかない。馴染まない。思ったとおりに仕事ができない。彼は職場に行くのも嫌で「通勤バスが事故れば、会社いかなくてすむのに」なんてことまで考えたそうです。仕事をバリバリこなす人なのに・・・。

東京に戻ってきて、みんなと話していたら「上司とぶつかる」とか「自分がやっているのは、本当にやりたい仕事だろうか」とか、みんなが悩んでいることがわかった。
それで、これってみんな共通する気持ちなんじゃないか、と。
世代なのか、30才という年齢的にも、迷う時期なのかな。30代という年齢がそういったのもより意識させる年齢なのか。みんな、突破口を求めている。
中堅になって、仕事も覚えて、さあ、もうワンステップ、と思ったとき、なかなか次に行けないという・・・。

そういうことをテーマにしたら、自分自身にも、みんなの突破口になるんじゃないかと思った。


――映画を撮ることは、監督自身にも突破口になりましたか。

犬飼 そうだね。転勤して地方に行っていたとき、メンタル的にも追い込まれて・・・軽い適応障害と診断されて、抗不安剤を処方されました。
「何で、こんなことになってるのかな」という、モヤモヤとした時期を過ごしました。
1年くらいで治って、東京に戻ってきたころには良くなっていたんだけど、溜まってたモヤモヤ、答えのないモヤモヤ、なんでうまく出来ないんだろう。そのモヤモヤが残っていた。

それをどこかにぶつけたかった。仕事以外のところで・・・仕事ももちろんやるんだけど、仕事以外のところでぶつけたかった。

それで、ふと思いついたのが、映画を撮ること。高校時代に撮っていたものの続きのようなかたちで、今の自分が共感できる、そういうものをつくりたいなと。
映画を撮ろうと思ったきっかけはそういうところかな。・・・自分自身も体験したんで、出口になれば。


――映画を撮って、監督自身、そのモヤモヤは解決しましたか。

犬飼 「どうして自分はこうなっちゃったのか」というモヤモヤについて、答えが出たか、というと・・・わからない。
でも、好きなように、自分が気持ちいいように撮った。それにみんなを巻き込んだ。気持ちよかった。

僕がすごく楽しかったのは、この映画に対して、関わってくれる人たちが、みんなすごく本気でかかわってくれたこと。すごく刺激を受けた。


――刺激?

犬飼 同世代のスタッフがいるわけじゃないですか。
で、僕が集合時間を朝7時とかすごい時間に設定するんだけど、スタッフは10分前とか、30分前とかにはもう現場にいて、「遅い」とか僕が怒られたりするんですよ。そのエネルギーがすごい。
みんな、前のめりに関わってくれた。「この世代は熱いヤツが多いんだなぁ」「R30世代はいいなあ」と思った。

みんなフルタイムで仕事しているわけじゃないですか。
だけど、ほとんど毎週金曜日、撮影の事前打ち合わせのために集まっていた。
僕が日曜出勤なので、土曜日しか撮影する日がなくて、事前打ち合わせを金曜日にするんだけど、金曜日とか、みんな遊びたいと思う。飲みに行く、遊びたい、デートしたいと思う。疲れてるでしょ。
だけど、それをやらずに映画の打ち合わせに来ている。
みんなの掛ける情熱が、面白いこととみると、ここまで食らいついてくるかと、びっくりした。


――みんな、突破口が欲しかったのかもしれませんね。

犬飼 僕もそう思った。
みんな動機は違うと思うけど・・・エキストラの方なんかもね。
僕の同級生で、派遣の方で、今求職中の人とか。名古屋から来る人もいる。みんな30才です。
ほんとに、ロストジュネレーションか、狭間の世代とか、そういう名づけをされるような人たちじゃないんじゃないか、と思う。
エキストラ翌日にニューヨークに出張するという女の子も来ますよ。
みんな全力投球。これが、やっていて一番良かったと思うこと。すごく良かった。本当によかった。


――エキストラに来てくださる方へ、メッセージを。

犬飼 ハートフル(不条理)コメディーと銘打って、とにかくなんでもありの、楽しい映画を作ろうと思っています。
文化祭や部活動のノリで、わいわいやろう!というのがコンセプトです。
ぜひ、ご一緒に楽しみましょう!


――ありがとうございました。



■8月29日(土) エキストラ募集のお知らせ■

自主制作映画「GETAWAY」では、今週末 8月29日(土)にエキストラを募集しています。
参加すると、エンドロールに名前を掲載してもらえるとのこと。

「シネマde青春」で出逢った人たちが、映画のエンドロールに載る・・・。
これ、白犬じゃないですか!?
みんなで、エンドロールに名前を載せに行きませんか!?

【撮影日時】
2009年8月29日(土) 12:50~ (約4時間)

【撮影場所】
表参道(東京都)
NHK青山荘 欅(けやき)大ホール
地図: http://www.bestrsv.com/hotel/2004080047/
※12:50に入口入ってすぐのロビー集合。

【エキストラの配役】
ホテルの記者会見場(授賞式)に集まった「記者たち」です。
椅子に座り、写真を撮ったりメモをとったりします。セリフは特にありません。

【募集人数】
50~60人

【条件など】
・20才以上の男性、女性の方。
・授賞式に参加した記者らしくスーツ、それに準ずる正装をしてきてください。
(確認したところ、ライターらしくジーンズは、OKだけどできればジャケットなど着用で・・・とのことでした)
・パンキッシュな髪型、原色に近い髪色の方はNG。派手なタトゥー、アクセ類もNG。スキンヘッドはOK。
(確認したところ、耳から鎖じゃらじゃらはNGでした・・・)
・記者らしい小道具(メモ帳、一眼レフカメラ、ハンディービデオカメラ、三脚付き大型カメラなど)の持ち込みは大歓迎。

【ギャラ・交通費】
申し訳ありませんが、予算の関係上ノーギャラ・交通費自己負担でお願いいたします。
その代わり、映画のエンドロールに名前が載ります。

【映画ウェブサイト】
アーバンダッシュ プロダクション
http://urbandash.net/

【申し込み方法】
次のURLで、各自、申し込みをお願いいたします。

GETAWAY エキストラ募集
http://urbandash.net/extra.html

申し込み完了後、この記事に「申し込んだよ~!」と一言書いていただけると、
MKが把握しやすくなって助かります。
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コメント 6

073_村

土曜はちょっと時間があるので
参加してみようと思いエントリしました。
劇団関連のdvd制作会社を最近興した友人にも
声かけてみます。あたらしい展開でもあると
いいんですけどねぇ。
by 073_村 (2009-08-27 12:23) 

あやこねこ

エキストラ、協力したいのはやまやまなのですが、29日はむずかしいなあ・・・ごめんなさい。

実は私は以前、自主制作映画で制作進行という役割をしたことがあります。
まったくの未経験でしたが、監督が友人だった関係で素質を見込まれて(?)頼まれ、引き受け・・・自分で言うのも、ですけど、大変喜ばれる仕事ができました。
多分、場を管理する、というポジションがあっていたんだと思うのですが。
また機会があったらやってみたいなあ。

もう6年くらい前のことです。まったく忘れていたのに、思い出しました。思い出させてくれてありがとうございました。
by あやこねこ (2009-08-27 13:30) 

061 CSの語り

艦長色々なお知り合いがいてるんですねえ。

アラサー。アラフォー。あらあら(意味不明

今回、対談形式でしたねえ。
学園では初めての試み?
麩麩麩、学園のなんかの複線だったりして。

え?お前には関係のないことだ?

麩麩麩、正解!(ぇ
by 061 CSの語り (2009-08-28 07:10) 

67 MK

みなさん、コメントありがとうございます!

>村 さん

参加表明、ありがとうございます。
嬉しいです!
お知り合いの方にもお声掛けいただいて・・・本当にありがたいです。
ぜひ、当日一緒に楽しみましょう!


>あやこねこ さん

コメントありがとうございます。
自主映画制作の経験者だったのですね。
場の仕切り。大変そうな仕事です。すごいです。

お逢いかる機会をなかなかつかめませんが、ぜひ、チャンスをみて!


>CSの語り さん

記事を書くのであれば、素人なりにも出来る範囲で取材をしたいと思いました。
知り合いの話など、身近な範囲の取材でも、自分にとって新鮮な価値観に出会えるのは面白かったです。

そんなわけで、伏線ではないです。すみません。


by 67 MK (2009-08-29 00:20) 

032_oyasan@まおたん

艦長 今日は撮影の日ですね。

お天気にも恵まれ(といっても室内か・・・)
きっと いろんな方の支えの中で
そして みんなが刺激を受けながらの撮影になるんでしょうね。

いいインタビューありがとうございます
そして 撮影がんばれーっ(自分にも応援歌♪)
by 032_oyasan@まおたん (2009-08-29 11:14) 

67 MK


> 32_oyasan@まおたん さん

コメントありがとうございます。
今日は日差しが強くて、室内でも気温が上がって、暑い日でした。
スタッフの真剣さと情熱は、もっと熱かったです。

「30才の男が、夢を見たって、いいじゃないか!」

作品を象徴するような主人公の叫びが、耳に残っています。
by 67 MK (2009-08-30 00:58) 

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